RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
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血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Gucci Mane「The Appeal: Georgia's Most Wanted」
gucci-mane-the-appeal.jpg

サウスの有望株と注目される最中に刑務所に投獄、出所して早速仕上げたGucci Maneの通算二作目となる『The Appeal: Georgia's Most Wanted』を御紹介。最近の客演量でいっても半端じゃない数をこなしているGucci Mane、露出度が高かったせいか囚人となっていたブランクをあまり感じさせないままに復帰しましたね。前作『The State vs. Radric Davis』もしっかりとヒットを記録、勢いもそのままに本作をリリースしたのも(かなり短いスパンで)なかなかの策士ぶりで巧いですねぇ。
それでは気になる内容を簡単に御紹介してゆきましょう……まずはあのRodney "Darkchild" Jerkinsが製作を担当した「Little Friend」でのっそりと幕開け、客演にはサウスの王様ことBun Bが参戦。あまりにもRodney Jerkinsっぽくないサウス丸出しのトラックは悪くないんですが、せっかくならDarkchild節を効かせたエッヂーなクールシンセ曲にして欲しかった気も(我侭)。しかしGucci Maneのあの押し潰した様なしゃがれヴォイスと、Bun Bの野太く力強いラップにお似合いなのでまぁいいか。続く「Trap Talk」はBig Koreyが製作を担当、パトカーのサイレン音と不穏でソワソワしたシンセ音を遠くでループさせた怪しい一曲。Zaytoven製作の「Missing」は単調でわかり易い電子鍵盤を連ねて跳ねさすサウスらしい間の抜けたバウンス感が病みつきの一曲、Gucci Maneののっそりと重たく運ぶフロウがグルグルと脳内に侵食してくる中毒曲。Drumma Boy製作でシリアスなピアノ旋律の浮ついたメロディがひんやり冷たいオカルトっぽさ香る「What It's Gonna Be」では、フック付近でのGucci Maneの低めに抑えて早口で捲くし立てるラップ、他にも悪っぽい強さを抑えて静かに囁く様なラップスタイルがカッコ良くキマっているナイスな一曲。「Making Love To The Money」はSchifeとOhZeeが共同で製作、トラック自体はそれほど際立った部分もなく普通のサウストラックのドロドロ感、でもGucci Maneのやさぐれたラップで濃い仕上がりにはなっています。「Gucci Time」はあのSwizz Beatzが製作&客演で参加、いかにもSwizz Beatzらしい細かく刻んでせわしなくループさせる鋼鉄アッパーチューン(興奮)。非常にシンプルながらその尖り具合や跳ね具合は天下一品の凄さ、Gucci Maneののっそり重たいラップを少し軽くしより派手に暴れさせたこのトラックは素晴らしい。そしてここではSwizz Beatzも合いの手フックのみでなくきちんとラップを披露、これがまたかなり味があってイ~イラップしてるんですよ(誉)。Fatboi製作でビコビコと浮ついたチープな電子音の連続にドカドカとビートが交錯する「Party Annimal」、このタイトルからして面白いしGucci Maneののったりとのし歩く様に余裕でかますラップが徐々に鼓膜にこびり付くドラッグチューンでやはり病み付き度は高し。BWheezyなる人物が製作を担当したトローリとまどろんだ点滅シンセが光るドリーミーミッド「Remember When」、客演にはRay Jが参加し程よく甘くまったり広がるスウィートなヴォーカルを披露。ほんわりブライトなスムージーなトラックは甘美でしなやか、その上をGucci Maneがドロドロと流れる様なラップで彩りを加える心地良い一曲でグッド。個人的には本作のハイライトだと思う「Haterade」、製作はあのThe Neptunesで客演にはPharrellとNicki Minajが参加した強力チューン。The Neptunesらしい夜風のように冷たくしっとりとした流麗シンセがしなやかで美しい、そこにPharrellのクールでソフトなファルセットが撫でる様に絡むのがたまらなく官能的だし幻想的(堕)。ふんわりと和やかなブライト感がすごく悩ましくて美しい、The Neptunesのこういう繊細ミッドが僕は大好きです。Gucci Maneのひしゃげたラップもここではしっとり抑えたしんみり繊細なラップ、シックにキメてくれてますよ。そしてNicki Minajもやはり飛び道具なラップで存在感抜群、少しリズムを外した奇天烈なラインでかなり強力な援護射撃を放っています(流石)。再びSwizz Beatzが製作&客演で関与した「It's Alive」、じんわりじわりと浸透する曲線シンセで、悪っぽいGucci Maneをソフトな紳士に仕立てます(変身)。メロディだけでいえば滑らかなドリーミーミッドなんですが、そこにSwizz Beatzらしいコチコチ叩くビートが敷き詰められていて、ソフトな中にも少しタイトさを感じるのがグッド。ぼんやりライトが遠くで点滅するみたいに綺麗なシンセ使いも相俟って、独特な滑走感を生み出しています。「Odog」はWyclef Jeanが製作(Sedeck Jeanと共同)&客演、べコンべコンと叩かれる瓶音ビートにどこかオリエンタルなメロディが妖しく絡みつく一曲で、Wyclef Jeanにしては個性を抑えめの(でもやはり渋味は効いている)ヴォーカルもいい感じでキマっています。続く「Dollar Sign」はJerry "Wonder" Duplessisが製作を担当、ピコピコ×ブイブイな電子音を巧くルーズに編み込んだ気だるさ残るトラックは中毒性高し。しかしそんなドロドロジリジリするトラックの上を、澄ました雰囲気でサラッと滑りのイイ早口ラップで駆け抜けるGucci Maneが憎い。再びZaytoven製作の浮ついたメロディにオカルト趣味のメロディラインも入った「Brand New」、再びDrumm Boy製作でのっそりと重たく引き擦る様なメロディ&ラップが思い切りサウスマナーな「Weirdo」と、Gucci Maneのへヴィーで悪なしゃがれラップが火炎と煙と共に吐き出されます。最後を締め括るのは「Grown Man」で製作は再びJerry "Wonder" DuplessisとJim JonsinとWayne Wilkinsが共同で担当、客演にはなんとあのEstelleが参加しています(意外)。ブイーと微振動しながら包み込む煌びやかなシンセで、次第に明るく輝きだすブライトチューンはとても奥深くてどこか破滅的でありながら希望に満ち溢れている、そんなドラマを感じさせるスケール壮大で明滅的な一曲。Gucci Maneの細かく刻み鋭く刺すようなラップも身軽でより鼓膜を刺激するし、Estelleの伸びやかで艶やかに光り輝く女神ヴォーカルも荘厳で美し過ぎます(羨望)。

前作『The State Vs. Radric Davis』は製作陣&客演陣ともに最強の布陣で、もはや敵無し抜かり無し状態でした。それに比べると本作『The Appeal: Georgia's Most Wanted』は極力Gucci Maneの腕一本(マイク一本)で魅せるべく、よりシンプルでソリッドに創り上げられている気がします。そういう意味では前作みたいなオールスターな派手さななく、むしろ地味にも感じますが、それで余計にGucci Maneのあの悪怪物なのっそり重たいしゃがれラップにフォーカスできる良い一因になっています。思ったよりもピッチを変えたりして一本調子でもなかったから驚き、軽重使い分けたトラック群も良かったと思います。Swizz BeatzとThe Neptunesがやはり良い仕事していました、特に後者のPharrell&Nicki Minaj参加の「Haterade」は要注目ですよ。というかさらりと出た感のあるGucci Maneの本作自体が聴き逃しは勿体無い、面白く仕上がっています。
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