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最近やたらベリーショートな髪型の美人系シンガー、Vivian Greenの通算五作目となる『Vivid』を御紹介。その美貌とネオソウル感のある歌声で長く活躍するVivian Greenも、もう五作ものアルバムをリリースしているんですね(驚)。ちょっとした豆知識を書くならば、Vivian GreenはBoyz II Menの「Dear God」のソングライトにも関与しているそうで、ソングライト能力もあると思われます。秀作だった前作『Green Room』からおよそ二年ぶりの本作では、あの“音の魔術師”ことKwame HollandをExecutive Producerに迎えての一作となるのも注目ポイントで御座いますねー。
という訳で内容について書いていきますと・・・・・・まず全曲の制作はそれこそKwame Hollandが担当しております、がしかし“音の魔術師クワメ”の呪文挿入が一曲のみで寂しい気もしますね(笑)。まるで星雲のようなキラキラ煌めく音色が無数に瞬くドリーミーなミッド「The One That Got Away」、じんわりと光彩を浸透させながら影を取り去り、少しかすれながらも華やかに輝くVivian Greenのヴォーカルも眩しいばかり。全盛期のEW&Fみたいなホーンやベース弦の生音演奏が心地良い波間を作り出す、緩やかだけどディープなファンクチューン「Work」。この低音ベースの振動が心臓をドクドクと打つのもスリリングで気持ち良いし、それにシャープに尖ったVivian Greenのヴォーカルが突き刺さるように響くのもクールでイイ。エレガントながらもどこか香ばしいエスプレッソソウルを艶やかに展開する「Broken」は、それこそデビューしたての頃のAlicia Keysを思わせるサウンド感。ちょっぴりレゲエ風味のあるというかジワリと熱い温度があり、Vivian Greenの焦がしキャラメルみたいなヴォーカルが美味いです。間違いなく本作のハイライト曲である「All I Want Is You」は、あのRaheem Devaughnとの共演が実現。ポツンポツンと滴る雫のような二人のヴォーカルが、だんだんと溜まっていって大きく深い泉となる明鏡止水スロウで、二人の愛に満ちたスウィート過ぎるヴォーカルが絡み合う絶品曲です(失神)。90年代のソウル早回しみたいなキャッチーなアッパー「Get Right Back To My Baby」は、Maze「Before I Let Go」をサンプリング使用。それこそ色鮮やかな水彩絵の具みたいなVivian Greenのヴォーカルがキラリと冴えるトキメキチューンで、聴いているだけで高揚してしまうパントーンカラーみたいにくっきり色味の分かれた一曲。最近のポップソングでありがちなキュートで軽快なノリの「123」、もうこれは聴いて単純にノリノリで踊るしかありません。アコースティックギターの爪弾く弦音が切なさを掻き立てる「Disrespectful」は、褪せた色味を滲ませたメランコリックなトラックと、Vivian Greenのモノクロに近い悲しいヴォーカルが胸を締め付けるバラード(涙)。王道ソウルバラードを聴かせる「Just Like Fools」は、やはり年季の入ったVivian Greenの深みのある芳醇なヴォーカルがじわじわ五臓六腑に染み渡る一曲でグッド。「Count Your Blessings」ではTreena Ferebeeが客演参加、まるで小鳥がさえずるようなキュートなついばみフックが印象的で、朝の陽光のような透き通った輝きが満ちた一曲です(日光浴)。最後はこれまたベースがうねるグルーヴがカッコイイ「Leave It All Behind」で、まるで虹のようにいくつもの色と光の筋が放射線状に広がって流れてゆくような光景が綺麗です。
やはり抜群の安定感でじっくり聴かせてくれますね、サウンドもヴォーカルも一級品のクオリティで安心保証。全曲をKwame Hollandが制作しているので芯もブレずに聴き易いですし、ヴィヴィッドと銘打ったからまさかEDMっぽくなったりなんて事もなく助かりました(笑)。Vivian Greenをまだ聴いたことのない方で、Alicia Keys好きな方はお薦めです。ただ前作辺りから思うのは、Vivian Greenは長髪の方が良いかなと思います(無関係)。
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テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE ジャンル : 音楽