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あのAnthony Dentに師事し、その後はソングライター集団“The Clutch”の一員としても活躍する才色兼備のKeri Hilsonの通算二作目となる『No Boys Allowed』を御紹介。スラリと長身で綺麗な顔立ち、見事なプロポーションで世の男性を魅了するKeri Hilson。そんな彼女が早くもドロップした待望の二作目は題名が“男子禁制”、これは男性陣にするとすごく刺激的でもっと覗いてみたくなります(阿呆)。前作『In a Perfect World...』から早くも一年程で本作をリリース出来る辺り、本国でも結構な人気を誇っている様ですね。
それでは気になる内容を御紹介してゆきますと・・・・・・まずはブイブイと低く響かせじわじわ攻めるホーンに、ドタドタと蹴飛ばすビートがラフな「Buyou」で幕開け。この曲の制作がBoi-1daというのが意外、こういう曲を作るBoi-1daを知らないので彼の引き出しの多さに驚き。客演には若手の中でも公式デビューを待たれるJ.Coleが参加、のっそりとのし歩くビートに合わせてカッコ良く揺らしてきます。Grover Washington, Jr.「Just The Two Of Us」をサンプリングしたキラキラと煌びやかなピアノ鍵盤の音色に、軽やかに跳ねるビートが心地良い「Pretty Girl Rock」はChuck Harmonyが制作(ソングライトにはNe-Yo)。これはすごく懐かしいソウル味がエッセンスになった、本当にキラキラ眩しい輝きを放つ鬼キュートな一曲で、ちょっとブリッコぽくKeri Hilsonのヴォーカルも胸キュンものです(惚)。でもカワイイだけでは終わらずに、きちんとしなったファンク感なんかもあって非常にイイ感じでバウンスしています。Polow Da Don制作(Co制作をHollywood Hot Sauce)のバキバキ攻撃的な激アッパー「The Way You Love Me」はRick Rossが客演参加、この曲は何よりもかなり過激なダンスを披露するPVが話題になりましたね(要注目)。とにかく形振り構わずに突進するKeri Hilsonの挑発的な妖艶ヴォーカルと、“そんなに愛されると、私イカれちゃうわ♪”と狂う詩もかなり興奮モノ。ノンストップで地面を揺らし続けるサイバーテイストなクラブバンガーなトラックが激しい(中毒)。これだけ暴れ回るトラックなんだから、Rick RossよりはBusta RhymesとかRedmanの方が似合ってた気も。再びPolow Da Donが制作を担当した「Bahm Bahm(Do It Once Again)」は、思い切りなRaggae風味で僕はちょっと苦手な一曲に(苦笑)。“一夜だけの恋をさせて♪”と切なく艶っぽいテーマの「One Night Stand」はCharlie Berealが制作を担当、客演には再び評価急上昇中のChris Brownが参加。ブイブイと捻れて妖しい曲線を描き出すシンセサイザーの音色に、少しリズムを崩した様なパーカッションが絡む事でどこかエキゾチックでスパイシーな電子メロウに仕上がっていて凄く素敵。ほんのちょっぴり多重加工した二人のヴォーカルもよりトランシーな感覚を生み出していて巧い、熱っぽいけれどクールな面白い一曲。「Lose Control」はあのStarGateが制作を担当、客演にはNellyが参加。スーッとクリアで冷たい繊細な電子音のザクザクした波が、次第に大きくなり、そこに脆そうなピアノ鍵盤が絡む事でより女性的な細さを演出しているミッド。Keri Hilsonの喘ぐ様なハイトーンでのフックも良いし、Nellyのライトで滑らかなフロウもイイ感じに嵌っています。この曲の最後はInterlude的な「Let Me Down」も連結されていて、このメロディもすごく綺麗で勿体ない扱い。“私が愛したのは、オモチャの兵隊さんだった♪”と嘆き悲しむ失恋曲「Toy Soldier」はDanjaが制作(ソングライトにEster Dean)を担当、カッカッカッカッと胸の鼓動を無感動にしたようなドラムスビートに、Keri Hilsonの泣きそうな悲しい歌声が切なく胸に突き刺さる一曲。「Breaking Point」は盟友Timbalandが制作(Co制作をJerome "Jroc" Harmon)を担当、Timbaland得意の口音を器用に捩じ曲げてエフェクト加工したものを連結させメロディに仕立てた、変態スレスレな(そこが巧い)ゴスペル風味な王道ソウルフルチューン。続いてもTimbalandが制作(Co制作をJerome "Jroc" Harmon)が担当の「Beautiful Mistake」は、華やかでカラフルな電子音のピョンピョンと跳ねるメロディが胸キュンな、少し昔のポップスみたいな流麗ラヴソング。再びBoi-1daが制作を担当した「Gimmie What I Want」は、クールでソリッドなシンセがガチガチと繋がったサイボーグチューンで、平坦でベッタリした機械のような無機質ヴォーカルアプローチがすごく耳に残る(残像)。「All The Boys」はなんとJerry "Wonda" Duplessisが制作(Co制作はArden Altino)を担当した、乾いたビートと寂しさと哀愁漂う繊細で儚げなストリングスが身に沁みるスロウ。「Pretty Girl Rock(Remix)」ではトラックはほぼそのままにKanye Westを召還、客演程度であればKanye Westのラップも楽しんで聴けるんですがね。「Hustler」は僕が最も注目しているProducerのBei Maejorが制作、爪弾くアコースティクギターの乾いたメロディ(どことなく昔のLauryn Hillを思い出す)にKeri Hilsonの涙で湿った柔らかなヴォーカルが静かに響く、ブルージーな失恋バラードで素晴らしい仕上がり(賛辞)。Timbaland(客演でも参加)とKeithin "J Mizzle" Pittmanが共同制作の「Lie To Me」、ビュイビュイと微振動するちょっぴり新コペートしたメロディが病みつく。続いてもTimbaland(客演参加も)とKeithin "J Mizzle" Pittmanが共同制作の「Won't Be Long」は、ディスコチューンに近いスカっと明け透けな電子メロディが痛快なディスコポップチューン。とここまでが一応本作の内容で、ここから国内盤には三曲のボーナストラックが収録されています。Keri Hilsonの伸びやかな歌声がスーっと広がり浸透する美曲「Fearless」、制作はBoi-1daが担当。クワイヤっぽいハーモニーにロボット声での“えーえーえーえー♪”が絡む不思議な近未来ドリーミー曲「So Good」、根本的には美曲なんですがどこかサイバーメタリックなのは機械工Danjaが制作しているから。最後はDavid JostとRobin Grubertが共同制作の「I Like」、静寂の中で広がるダークな宇宙の様な神秘的な魅力が光る一曲。
うーーーん、思ったよりも意外と良い仕上がりでした(驚)。いや、Keri Hilsonは大好きですけどそこまで突出した魅力は感じない(容姿は抜群に素晴らしい、音楽的な意味で)のですが、なかなか手堅くバラエティに富んでいて、最後まで飽きずに聴く事が出来ました。僕個人の意見としてTimbalandとの相性があまり良くない様に思います、真っ直ぐ飾り気の無いメロディの方がしっくり来る。Keri Hilsonの麗しい美貌&美声を堪能出来るのだから、文句を言うのは野暮ですね、とにかく聴いて楽しむべし。女性的な目線を強化した詩なので、より女性陣が親近感を感じる事のできる一枚かもしれませんね。
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