RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

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プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

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Stalley「New Wave」
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Ohio出身の長い髭が特徴的な若手MC、Stalleyの通算二作目となる『New Wave』を御紹介。StalleyといえばあのRick Ross率いるMMGに所属し、そのMMGからデビューアルバムとなる良作『Ohio』を出したのも記憶に新しいMC。その後もMMGに所属しながらMixTapeを出し続けていたらしいのですが、二作目となる『New Wave』はなんと通なら唸るReal Talk Ent.からのリリースとなっております。前作『Ohio』は巷ではなぜかあまり話題にならなかったんですが、僕はとても好きでその年の年間Top10で第六位に選出したほどのお気に入り。という訳で本作も全く話題になっていませんでしたが、サクッと購入はしていた次第です。
という訳でなかなか好きなこのアルバムについて徒然なるままに・・・・・・まず本作に関してはブックレットに全くクレジット記載が無いために、Producerやネタ元などが全く不明、なので僕の稚拙な感想のみで突っ走ります(暗中模索)。まずは澄んだ水の中を泳いで揺蕩うような波紋トラックが心地良い「Absence」、Stalleyのラップはとても滑らかで自由度も高く、こういう遊泳感のある曲線的なトラックもそつなく泳ぎ切る技術。表題曲である「New Wave」は彼らしいソウルフルなフレーズを延々と煙たくループしたトラックで、その中でもリフレインさせて共振させるイマドキも感じるStalleyのラップは、絶妙な湿度を保っていて鼓膜にしんなりと馴染む。ドス黒いホーン音をどっぷりと水底に沈めたようなくぐもったサウンドがドープな「Madden 96」も、Stalleyがなかなか水を切るような鋭いラップで進水する様が滑らかで美しい。キャラメルの様にどろりと空気を甘く溶かす「Kevin Hart」もソウルフルで燻し銀でナイスで、そんな黄金色のトラックをStalleyの静かな高温ラップがほろ苦く焦がすのがこれまた美味でたまらない(痺)。ざらざらとした砂利ビートに海風のように湿り気あるサウンドが吹き抜ける「Let's Talk About It」にも、軽やかエアリーで澄んだブルーのようなStalleyのラップはお似合いで、壮麗でいてハードさも兼ね備えた抜け感抜群な好ミッド。と思えばドブドブと濁流に飲まれるような重たいシンセが蠢くトラックに鼓膜も沈んでゆく「Soul Searching」では、どこか錆にも似た鈍色の輝きをザラザラとして放つStalleyのラップがイル。J. Cole辺りを思わせる薄暗くもシャレオツな「Sativa Break」なんかも、夜の帳のようにシンプルな色彩のビートとメロディだけにStalleyの鮮やかなラップスキルが映える一曲。星が瞬く様にメロディがちらちらと輝くのが美しい「Stock Up」も、Stalleyのシルクの様に滑らかなラップはまるで流星群のように滑っていて綺麗の一言に尽きる。最後は夜霧のようなしとやかさとミステリアスなひんやり感が楽しめる「What I Like」で幕切れ、闇夜の遠く彼方で散りゆく打ち上げ花火のようなぼんやりした光度を保つStalleyのラップも神秘的。

いや、確かに地味かもしれませんが、単純にStalleyって格好良いMCの一人だと思うんです。流行スタイルとかとは無縁な王道タイプな分、多分だけれど息の長いMCになるんじゃないかな(予測)。MMGから離脱したのはとても残念ですが、このままソウルフルなトラックを得意としながら悠々と活動して欲しいです。誰か腕のある(そして名の通っている)Producerとガッツリ一枚丸ごと組んで作ったりしたら、話題になるかと思うんだけどな。



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DMX「Redemption Of The Beast」
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Rap界の永遠の狂犬であり番犬、DMXの通算八作目(?)となる『Redemption Of The Beast』を御紹介。やはり自分のような三十路世代には最強に近いMCなのがこの、Dark Man XことDMX。Swizz Beatz率いるRuff Rhydersの看板MCとして数々の大ヒットを飛ばしました。Swizz Beatzこそまだ現役感がギリギリありますが、それ以外のRuff Rhydersの面々は見なくなってしまいました(悲)。DMXも宗教に目覚めたり紆余曲折ありながら、こうして届いたアルバムも復活作である前作『Undisputed』からおよそ二年後の2014年。しかもこのアルバムはどうも正規リリースではないみたいで、DMXの公式なアルバムかどうかも謎。しかしそこは永遠のアイドルDMXなので、買うしかありませんでした(一択)。
それではもう錆びついている感想を恥ずかしげもなく書くと・・・・・・まずは本作のブックレットにはクレジットの詳細が無く、その辺りはWikipediaを参考に書かせて頂いております。まずはDivine Barsなる人物が制作した「Spit That Shit」で華々しくも荒々しくスタート、もうこれが当時のRuff Rhydersを彷彿とさせるエッヂの効いたシンセのうようよビヨビヨ跳ねなバウンスチューンで僕はアゲアゲ(死語)。単純に平たく研磨した電子音を二枚刃仕立てでビートと共に繰り出すシンプルさながら、そこはDMXの全てを破る咆哮ラップで痛快に突き抜ける戦法でグッド。続く「Built Like A Bitch」はやはり瓦礫チックに荒廃させた電子音が鋭く突き刺さる中で、DMXの咆哮がジグザグに反響するのが頼もしい。Divine Bars制作の「On And On」は稲光のように鋭く響くエレキギターの音色と乾いたビートのみのシンプル構築ながら、そんなギターの通電によってDMXの金属より硬いラップがギラギラと鈍く輝くのが格好良く、低く唸る地鳴りのようなフックも鼓膜を捻じ伏せる静かな剛力があって素晴らしい。続く「Get Up And Try Again」もDivine Bars制作でギター弦が燻っては散るちょっぴりブルージーさも滲むミッドで、なかなかの曲線を終始描くなだらかなトラックは情感もあり、フックでの歌うようなフロウも健在でDMXの柔軟さを物語る一曲。Elicitなる人物が制作した「Solid」では、Busta Rhymesが率いたFlipmode Squadの手練れだったRampageが客演参加(懐)。ピコピコと跳ねるキメ細かい微粒電子音にスチール製の尖ったビートがザックザックと刺さるトラックが90年代なテイストですし、その中でDMXとRampageという頑丈MCがマイクを回す為に聴き手は耐震ゼロ。ド派手なホーンが飛び散りピアノ鍵盤が角張って流れる「I'm Gonna Win」なんかも当時のRuff Rhydersを踏襲した作りで、すべてをぶっ叩き引き千切り噛み回すDMXの獰猛さを楽しむのみなアッパー。もはや痙攣するように震えて昇天しているエレキギターの弦音とぶっといビートのみで進行する「It's A Problem」はKashmirとStan Spitが客演参加、こういうゴシックでエクソシスト的なロックカットなトラックとDMXの相性の良さは神懸かりで震える。本作のハイライトとも言えるのが「It's Goin' Down」で、遠くで鳴って響く雷鳴のような不可思議なあの感触。DMXが雨音のようにしとやかで切ない歌フックを響かせる哀歌で、強さと柔らかさが溶け合ったこのほろ苦さを演出できるのは、たぶん2pacとDMXだけなのでは(比肩)。きめ細かく鍵盤音を散りばめた「Shout It」も歌フックがなかなか効いていて、それでいて言葉を詰め込み弾丸のように吐き出すDMXの迫力も味わえる一曲。星空の下に吹き抜ける冷たい夜風のようにしとやかな「One More Night」なんかは90年代のセクシーなRapチューンをそのまま復刻(興奮)。DMXのゴツいのにスムースなラップの疾走感はまるで、黒く光るアスファルトの上を優雅に駆ける漆黒のランボルギーニのように流麗。そんな90年代のRuff Rhydersっぽいんサウンドの中で、本家本元で盟友のSwizz Beatzが唯一制作した「56 Bars」では、逆にホーンが瞬いて弾けるソウルフルなトラックを準備。盟友Swizz Beatzだからこそ、DMXの電撃のようなラップはこういうサンプルングっぽいソウルフルなトラックでも映える事を顕示したかったのは(憶測)。それを図ってかこれまた旧友であるDame Greeseもブレイクビーツを爆発させたオールドスクールなアッパー「Where You Been」で応戦、しかも客演にはFreewayが参戦という鉄壁布陣。単純明快なトラックに乗せてDMXの電撃とFreewayの火薬が反応し発破、二人揃って百万馬力の圧倒的パワーで痛快に突破。女性シンガーのJannyceが客演参加した「Right Or Wrong」ではアラームの様に鳴り響くシンセとストリングスのように斬れ味鋭いシンセの交錯と、全盛期のRockwilderを思わせるサウンドが最高にホット(死語)で、イケイケな女性と絡んでラップするという構図も90年代仕様な気がして嬉しい。再びDame Greeseが制作した「Gonna Get Mine」は完璧ロックチューンなアッパーで、鋼鉄の箱の中でバリバリと放電しぶつかり反響するようなDMXの正に電撃のラップが味わえる一曲で最高(痺)。最後は再びJannyceが客演参加した「Love That Bitch」で〆、やっぱりこういう哀愁も漂うシンセ曲って90年代の遺産な気がするし、このブルージーさを吠えて演出できるのはこの先もDMXほどのMCは出ない気がする。

やっぱりDMXは格好良い、一辺倒かもしれないけれど伝家の宝刀で斬れ味は今も健在です。最近のマンブルラップが悪いとは思わないけれど、こういう男臭くてマッチョなラップはやはり惹かれる。宗教的な動きなんかもしているDMXだけど、こうしてラップを聴いたらラッパーとして復活してほしい思いがムクムクと大きくなりますね。Swizz Beatzと全面的に組むか、それか自分はDJ Premierとかとがっつり組んだらもっと違う魅力を出せる気がします。


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Joey Bada$$「All-Amerkkkan Bada$$」
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New YorkはBrooklyn出身の実力ある若きMC、Joey Bada$$の通算二作目となる『All-Amerikkkan Bada$$』を御紹介。前作でありメジャーデビュー作となる『B4.Da.$$』も素晴らしかったJoey Bada$$、およそ二年のスパンを空けてのアルバムがこれ。Joey Bada$$といえば今は亡きCapital STEEZと共にクルー“Pro Era”の設立メンバーとして知られ、他にもKirk Knight、Nyck Cautionらも注目されている様ですね。ちょっと前に“俺は2Pacより上手い”とか発言したのも話題になりましたが、そこまで批判的には書かれていなかった気もします。実力は折り紙つき、といった事でしょうか。
それではちょこっとだけどう感じたかを拙くも・・・・・・まずはDJ Khalilが制作を担当した「Good Morning Amerikkka」で幕開け、トラックはどこか朝露に濡れたようにしとやかで、朝冷えするように青く漂う街の排気ガスのようなJoey Bada$$のラップがやはり渋い(痺)。DJ Khalilと1-900が共同制作した「For My People」も空気や話し声やクラクションがスクランブルする雑踏を思わせるトラックが最高で、少しざらっとしてギラギラと輝くJoey Bada$$のアスファルトの様なラップが走ります。サンプリング曲っぽいレトロな作り90年代っぽい「Temptation」は1-900とKirk Knightが共同制作、柔らかな風が湿った空気を乾かすようにメロディが翻るのが綺麗で、これほどまでにJoey Bada$$のラップが澄んでいてエアリーだという事に驚かされる壮麗ミッド。同じく1-900とKirk Knightが共同制作した「Land Of Free」水面の波紋のように柔らかく響き渡るトラックが憂いを帯びていて美しく、となればJoey Bada$$の絞った果汁の様に甘酸っぱくて、水煙のように儚く広がるミストみたいなラップもグッド。1-900とKirk Knight、Powers Pleasantが共同制作した「Devastated」は、OutKast「SpottieOttieDopaliscious」をネタ使い。ゆっくりとスローモーションのように流れるサウンドと、一気に華やぎ溢れるサウンド(そしてJoey Bada$$が高らかと突き抜ける様に歌い上げるフック)の対がまるで、降り注いだ雨が陽光に照らされ一気に蒸発するような、通り雨の感触にも似た不思議なプリズムの一曲。「Y U Don't Love Me? (Miss Amerikkka)」は1-900とPowers Pleasantが共同制作した、ゆらゆらとスチームみたく夢現なとろけるミッドで、少しく曇って響くJoey Bada$$のラップはシナモンのような独特の苦味と甘味が混じっていてナイス(糖度的確)。Chuck Strangersと1-900が共同制作した「Rockabye Baby」はJanko Nilović「Blue Stone」をサンプリングし、極細に切られたピアノループをひらひらと舞わせたシリアスな一曲で、こうなるとジメジメと日陰のようなJoey Bada$$と客演のSchoolboy Qが水を得た魚。 Kirk KnightにNyck CautionのPro Eraの面々と、Flutbush Zombiesの、Meechy Darkoでマイクリレーする「Ring The Alarm」はKirk Knightと1-900が共同制作、いかにもPro Eraらしい陰湿ダークでひんやりと冷たいトラックに、殺伐として乾いたPro Eraの面々の銃声のようなラップが響きます。そこにMeechu Darkoが登場することでおどろおどろしさが加味され、どこか妖気に似た空気を帯びるのもグッド。Tunesville Inc「Voice on the Wind」をネタ使いした「Super Predator」はStatik Selektahが制作しており、彼らしい燻し銀ソウルフルな一曲でギュルギュルと巻き込むトラックがド渋い。冷たく暗い鉛色の空を動かすようにエアリーに踊るJoey Bada$$の最高だけれど、客演参加のStyles Pが絡むことでより鋭利な木枯のようになって聴き手の鼓膜をくすぐるのがたまりません(痺)。レゲエシンガーのChronixxを客演の「Babylon」はLike(Pac Div)が制作を担当しており、どこかカラメルの様にビターな美味になっているのはChronixxの尽力によるもの。再びStatik Selektahが制作した「Legendary」はAndile Yenana「Thembisa (The People)」をネタ使いし、ホーンとピアノが滑らかで艶やかな輝きを放つ高貴な一曲で、客演のJ. Coleの助演男優賞でよりシックで上品な正統派でドレッシーなトラックに仕立てられていてナイス(端麗)。最後を締め括るのはDJ Khalil制作の「Amerikkkan Idol」で、やはり雨上がりの晴れ間に吹く風のように晴れやかで軽やかなトラックと、Joey Bada$$の身軽に跳ねて走るエアリーな(だけれど落ち着いていて静かな)ラップが印象的。

これまでのJoey Bada$$と言ったら90年代前半のRap作品を思わせる、陰鬱でザラザラと荒涼としたトラックの中で砂塵のようなラップを聴かせるMCといった印象。それに比べると本作でのJoey Bada$$は、晴天の下で吹くからっと乾いた風のようで、なんだかとてもエアリーでこれはこれでグッド。ですがそのエアリーさの中でもJoey Bada$$のラップとフロウが流れると、木陰のようにはっとさせられる輪郭のくっきりとした冷たさが感じられてそれも最高。という訳で昨年度の“僕が選ぶ2017年アルバムTop10[Rap部門]”でも第九位にランクインした一枚、結局はこういうサウンドとラップをずっと後年でも聴いている気がします。








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Lil Uzi Vert「Luv Is Rage 2」
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現Hip Hopシーンの新たなファッションアイコン、Lil Uzi Vertの記念すべきメジャーデビューアルバム『Luv Is Rage 2』を御紹介。その小さな身長とカラフルなドレッドヘア、ロックスターを標榜する奇抜でクールなファッションでも注目を集める小さな巨人ことLil Uzi Vert。Philadelphia出身の94年生まれの24歳、本格的にラップを始めたのは20歳前後と言われているみたいですから、あっという間に結果を出している様です。ちなみに名前の由来なのですが、“マシンガンみたいなラップ”という意味の“Uzi”(小型マシンガンの愛称)と“頂点まで真っ直ぐ登りつめる”という意味のVert(ヴァーティカルの略)を合わせたものなのだそう(又聞)。
という訳で薄味な感想を例に漏れず書きますと・・・・・・まずはLil Uzi VertとDon Cannon、Lyle Leduffが共同制作した「Two®︎」でスタート、どことなく漏れ出るようにジワジワと光るスライム状のトラックがなんとも美しくもグロテスク寸前で、だからこそどこか悪戯っぽくウイルス的な感染をするLil Uzi Vertのラップが魅力的。「444+222」はMaaly RawとIke Beatzが共同制作した明滅アッパーで、フックなどは分かり易いリフレインを練り込んだトラップ風も、声色の高低差やマシンガンのごとく的確に撃ち放つLil Uzi Vertのラップ技術で、ザクザクとした食感で美味な中毒曲に仕上がっています。「Sauce It Up」はDon Cannonが単独で制作した鉱石のように硬く輝くゴツゴツした一曲ながら、Lil Uzi Vertのキラキラと輝く研磨された宝石のような24カラットのラップが美しく乱反射するのが見事。またまたDon Cannonが単独制作した「No Sleep Leak」も闇夜のように漆黒のトラックの中を、音波を発しながら器用に怪しく滑空する蝙蝠のようなLil Uzi Vertのラップがダークでカッコイイ(痺)。Ike BeatzとDon Cannonが共同制作した「The Way Life Goes」は、夏の夕暮れに染まる波間のように揺らめくトラックがスウィートなメロウで、ここでもヴォーカルレンジが広くしっかり歌えるLil Uzi Vertの光を水に溶かしたようなフロウが最高に心地良い(賛辞)。ビヨビヨとして弾力のあるグミみたいなシンセが転がる「For Real」はDJ PluggとBobby Kriticalが共同制作、このポップでカラフルで無邪気なトラックの中でじゃれて戯れるウイルスみたいなLil Uzi Vertのラップが気付くと体中を毒し蔓延。「Feeling Mutual」はシンデレラガールことWondagurlが制作を担当しており、グニャグニャと融解する金属のような音色がマーブル模様に広がるトラックは素晴らしく、だからこそウイルスチックに感染に蝕むLil Uzi Vertの無邪気なラップが映えます。Pharrell Williamsが制作&客演した「Neon Guts」なんかもネオンというよりは夜光虫のようなジワジワ妖しい輝きで、Lil Uzi Vertの滑空して散るようなバイ菌ラップもグッド。Maaly Rawが制作した「Early 20 Rager」は淡々と超音波のようなラップを飛ばして反響させる、読経チックな催眠効果抜群な反芻チューン。Jason "DaHeala" QuennevilleとAbel "The Weeknd" Tesfaye、Don Cannon、Maaly Rawが共同制作した「Unfazed」では、濃い夜霧で冷たく夜空を濡らすようにThe Weekndのヴォーカルが響く一曲で、そんなミステリアスでダークな空間でLil Uzi Vertのラップが歪んだ月光のように射すのがクール。「Pretty Mami」はDon Cannonと!llmindが共同制作しており、蝕まれてうなされるようにグルグルと回る微熱トラックに、Lil Uzi Vertのラップが崩壊錠のように溶けてゆくのが鋭利。再びWondagurlが制作を担当した「How To Talk」では、色鮮やかな閃光のような音色が放射線状に散らばり、その閃光に乗っかり花火のように弾けるラップが面白い。Metro BoominとPierre Bourneが共同制作した「X」はどこかトロピカルなスウィートで眩いトラックで、Lil Uzi Vertのラップもドロドロのフルーツジュースのような喉越し(鼓膜越し)でナイス。「Malfunction」は三度目登場のWondagurlが制作でやはりどこか宝石チックな色めきを魅せる電子トラックはラグジュアリーで、変異型のウイルスとなってジワジワと侵食してゆくラップも高揚感を煽ります(病的)。Maaly RawとRex Kudoが共同制作の「Dark Queen」の雨降りのようなウェット感も、TM88とJ.W. Lucasが共同制作の「XO Tour Life3」の天体観測のような光の瞬きも、ピッチを自在に変化させ聴き手の細胞を愉快に破壊するLil Uzi Vertの新種ウイルスラップが最高に痛快。D. Rich制作の「Skir Skirr」はトラックからしてもう酩酊状態にさせられる平衡感覚麻痺の一曲で、ビートを少し外しながらも気持ちよくフロウで蝕むLil Uzi Vertがやはり巧者。TM88が制作(Co制作をS1)の「Loaded」は鉱石ビートに共鳴して輝くラップが幻想的で、Bobby Kriticalが制作の「Diamonds All On My Wrist」はボトボトと重たく鳴る重油系のビートがタフでカッコイイ。Honorable C.N.O.T.E.が制作した「20 Min」はR&Bマナーなねっとりと甘い音色が寝られたミルキーミッドで、光をも培養するヴォーカルがなかなかイケるLil Uzi Vertにただ身と鼓膜を任せるばかりです(遊泳)。

本当に全く期待しておらず、最近流行りの有象無象の中の一人だと舐めていたLil Uzi Vert。しかし、どうやら最近になって流行のトラップスタイルのラップに移行したらしい彼の、それだけに止まらない変幻自在なフロウの虜になってしまいました(謝罪)。結局は昨年度の年間Top10でも、第七位にランクインさせた程のお気に入りとなったアルバムで御座います。異論はあるだろうけれど僕的には、全盛期ちょっと前のLil Wayneを聴いた時の感覚に近い刺激がありました(厳密に言うとLil Wayne『Tha Carter』から『Tha Carter II』頃)。








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Eminem「Revival」
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Rap界の永遠の神童にして悪童、Eminemの通算九作目となる『Revival』を御紹介。様々な話題を振りまきながら(良し悪しも愛嬌)ずっと最前線に立ち、ベテランMC達も口を揃えて最高のMCだと賞賛されるのが、この神懸かりなまでにスキルフルなEminem。前作は原点に立ち返るような続編『The Marshall Mathers LP2』だったのですが、次なる本作は『Revival』と来ました。本作の発売前にはトランプ政権を批判するキレキレのサイファーでも話題になり、全員の期待値もガンガンに上げて、かなりサプライズに近い形で発表された覚えがあります。
それではざっくりと感想を書いてみたいなと思います・・・・・・まずは伝説のProducerであるRick Rubinが制作を担当した「Walk On Water」では、Beyonceが客演で参加といういきなり豪華な幕開け。Johnny Cashも手掛けたRick Rubinならでは仕込みな鍵盤音とストリングスが清廉と響き渡るトラックは、どこまでも澄んだ水面のように滑らかに輝きを湛えます。その上を静かに説くよう繰り出すEminemのラップはまるで雫のようだし、Beyonceの神々しく優しい歌フックはまさにオアシスそのもの(潤)。Eminemが制作した「Believe」はやはり彼らしい氷雨のように冷たくチクチクと尖ったシリアスな鍵盤チューンで、その雨の中を弾丸のようにヒュンヒュンと音を立てて突き刺すEminemのラップが超絶とクール。Mr. Porterが制作を担当した「Chloraseptic」では客演にPhresherが客演で参加しており、少しノイジーにのたうつ様に響くダークシンセがEminemの毒々しいラップと共に、聴き手の神経に侵入し蝕み破壊するのが痛快。Phresherの歪で破壊的なラップがフックで骨まで砕いてくるのも最高。EminemにMr. Porter、Mark Batson、Emile Haynieが共同制作した「Untouchable」では、The Cheech & Chong「Earache My Eye」やら何やらをサンプリングしまくった継ぎ接ぎなアッパー。ガリガリにエレキギターを鳴らして電撃の様に鼓膜を感電させて痺れさせるEminemは最高で、かと思えばMasta Ace「Born To Roll」をネタにズルズルと擦ってビートダウンしてEminemもメルトダウンし、終盤ではオカルトみたいな仄暗いガクガクの鍵盤をバックに鋭利なラップで真空斬りしてくる始末。Emile Haynieが制作した「River」ではEd Sheeranが客演参加、ツタツタと叩く降りしきる雨音のようなドラムビートに、冷たく悴む様にヒリヒリと痛いEminemの深く刺さるラップと、横殴りの風のように鼓膜を叩き吹き抜けるEd Sheeranのヴォーカルもグッドで、やがて痛みがうねり大河となり氾濫するのを鼓膜で感じるのみ。大ネタ中の大ネタであるJoan Jett and the Blackhearts「I Love Rock 'n' Roll」を使用した(かつてファンだったBritney Spearsへの目配せか?)「Remind Me」は、やはりこういう王道ロックのブレイクビーツでRun DMCを大成功させたRick Rubin御大が制作を担当。やはりここまでべったりな大ネタサンプリングだとEminemと言えども単調に感じてしまい、自分的にはこれがアルバムを失敗と印象付けた気がしたり(文字通りリバイバルなのだろうけれど)。「Like Home」はまさかのJust Blazeが制作を担当し、客演にはAlicia Keysが参加。やはりこういうキラキラと輝きを加速させる夜明けのようなトラックで、Alicia Keysの品格漂うヴォーカルで高らかと歌い上げると、どこかJay-Z「Empire State Of Mind」の二番煎じみたいになってしまう恐ろしさ(惜)。と文句を付けつつもこの布陣が弱い訳もなく、追い風を受ける様にぐんぐんと上昇して光を裂くEminemの不死鳥のようなラップは燃え盛り美しい。Alex Da Kidが制作を担当した「Bad Husband」ではX Ambassadorsが客演で参加しており、このコンボがなかなか格好良くて本作でもお気に入りの一曲。やはり凍えるように冷たい零下ミッドでのEminemの悲しくて刺々しいラップもシンクロしているし、X Ambassadorsの木枯らしのように寂しげなヴォーカルもナイス。Alex Da Kidが制作し、もはやEminemお抱えになっているSkylar Greyが客演参加した「Tragic Endings」も既定路線で、淡々と行進するようなドラムビートにザクザクとメッタ刺しするようなEminemのラップが悲劇的で美しい。本作でも唯一Eminemが狂人化していてビリビリと鼓膜が痺れるのが、FredWreckが制作した「Framed」で、音程やピッチをくるくると変化させる事で挙動不審で火花めいたラップを体現するサイコなEminemの独壇場。Rock MafiaとHit Boyが共同制作した「Nowhere Fast」では、Kehlaniが客演参加。躍動感溢れるストリングスの金色の波の中で、Eminemの鋭くスピーディなラップで華やかなKehlaniの歌フックが舞い散る様が美しい。Run DMCとThe Beastie Boysをダブルでネタ使いした「Heat」はRick Rubinが制作を担当、これは王道過ぎてチープ寸前に感じてしまう辛さ。Illadaproducerが制作でCharles Bradley「In You (I Found A Love)」をサンプリングした「Offended」は、まるでマシンガンかミシンでバツバツと裁縫するように秒速で撃ち続けるEminemがキレキレ。Alex Da Kid制作でP!nkが客演参加した「Need Me」は、P!nkのラフでざらっとしたヴォーカルがヴィンテージな風合いを出す放浪ミッドで、こういう乾いた大地を踏み割るようなトラックにもEminemは合う。Scram Jonesが制作を担当した「In Your Head」は曇天に雨粒が吹き晒すようなコールドミッドで、ゆっくりと捻れてドリップするようなEminemの濃厚で毒々しいラップが硬いビートと共に侵食する「Castle」はDJ Khalilが制作を担当。最後を飾るのはRick Rubinが制作を担当した「Arose」なんですが、これがここ日本では結婚式なんかで流れやすいBette Midler「The Rose」のサンプリングで、確かに素敵な曲だけれどなんだか拍子抜けしてしまう(Eminemが使うと余計に)一曲。ただ後半に転調するところはいいんだけれど、時すでに遅し。

本作のEminemのラップは喩えるならば、勇者の聖剣といった感触なんです。僕としてはやはりまだどこか、愉快犯の振り回す刃物のような危なかしいラップが聴きたくて、その点が人間として円熟味を増したEminemでは物足らなくなるという僕のワガママ(苦笑)。大ネタ使いするのはEminemならば毎作とそうですが、本作ではその大ネタがあまりにも大ネタ過ぎて、狂人度が薄まったEminemと相まって面白みを下げた気がします。いや、けしてRick Rubinが悪いわけではないのです、けして(頑)。サウンドアプローチ的には僕のお気に入りのアルバム『Recovery』と非常に近い気がするのですが、なぜだか僕も世間様と同じく本作はそこまで聴かなかったという不思議(『Recovery』も世間様の(特にEmihemファンからの)評価は低かった気がする)。先日サプライズでリリースされた『Kamikaze』はいろんなMCを攻撃しまくる事でリスナーも興奮し高評価みたいなので、その点は世間様もそうなのかな。ただ、そうは言ってもEminemですから、本作も余裕でカッコイイのは確か。








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