RocBox 2

自分の持っているR&B、Rapアルバムを聴いての感想を偏見で綴る。音楽に関する知識はほぼ無し、雰囲気で語る。

12 2019
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

Queen

Author:Queen
生年月日:1983年11月28日
星座:射手座
性別:男
血液型:A型
趣味:古典的推理小説読書
    黒音楽に浸る

ブログランキング
人気ブログランキングへ にほんブログ村 音楽ブログ HIPHOP・ラップへ
にほんブログ村 音楽ブログ R&B・ソウルへ
Q's Tumblr
http://rocqueen.tumblr.com/
Twitter
ブログ内検索
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
223位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋楽
49位
アクセスランキングを見る>>
訪問者数
現在の閲覧者数
Coming Soon
QRコード
暇潰しに携帯でどうぞ
QR
Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Amine「Good For You」
41xAdm114PL.jpg

Oregon州はPortland出身の新人MC、Amineの記念すべきデビューアルバム『Good For You』を御紹介。エチオピア人とエリトリア人の移民の両親の間に生まれたというAmine、ずっとバスケットに専念したところ、相手チームをラップでディスしたのが周囲にウケ、ラッパーになることを志したのだそう。14年から15年にかけてミックステープなど三作を発表し、いまや毎年恒例の超重要な新人登竜門の“XXL Freshman Class 2017”にも選出されました。と書きましたが僕の中でAmineは全く記憶に無く、本作もなんとなく前情報無しに店頭に並んでいたから買ったという為体で御座います。というのも、大好きなNellyが客演参加していたからという。
という感じですのでライトな感想にはなりますが・・・・・・まずはJahaan SweetとPasqueが共同制作した「Veggies」では、Ty Dolla $ignが客演で参加。これが朝露を思わせる凛として瑞々しい音色を繋いだ前半部分と、軋むような金属的な板金トラックの二部構成で面白い。Amineの良い意味で脱力して柔らかなラップがブリキのように軽やかに響き、そこに例のオリーブオイルみたいなTy Dolla $ignのピュアグリーンな歌声がとろーりとかかる事でコクが生まれてグッド。まさにAmine色とも言える「Yellow」はFrank DukesとMetro Boominが共同制作(Co制作をMurda Beatz)し、客演にはNellyが参加という面白い人選。チューブから黄色の絵の具を練り出して、ぶりっとはみ出し塗ったようなべったりのカラフルさが輝く電子チューン。AmineのどこかLEGOブロックのように原色で角張った単語結合を思わせるラップも遊び心満載ですし、Nellyのあまりにもキュートでジューシーなフロウにも思わずニヤリ。全米11位を獲得する大ヒットとなった「Carline」はAmineとPasqueが共同制作、これはまずジェリービーンズみたく甘くて粒々としたAmineのラップが無条件に面白いんだけれど、ゼリー状の電子音をブアッブアッとだけ鳴らしカラカラとビートを転がすという、どこか全盛期のThe Neptunes的な抜け抜けスカスカなトラックの世界観が実に素晴らしい(虜)。そのPasqueとAmineが共同制作した「Hero」もやはり音数は少なくシンプルループ、そんなシンプルなギター弦の音色はまるで飛行機雲のように伸び、Amineのラップはどこまでも暢気に浮かび流れる綿飴みたいな雲のよう。ピカピカと瞬くシンセに抹香のように妖しく漂い広がるアジアンテイストな笛音がスパイシーな「Spice Girl」、Frank Dukes制作のこのトラックはやはりキレキレで、その癖にも負けないAmineのピリリと辛い刺激的なラップも妙味。「STFU」はVegynとAmineが共同制作しており、まるで水の中で聴く泡のコポコポ音にも似た電子音が浮かんでは消えるのが幻想的で、Amineのエフェクトも駆使しつつ歌ったり早口で駆けたりするラップも水と戯れ滑り泳ぐようで気持ちがいい。J Grammが制作した「Wedding Crashers」ではMigosよりOffsetが客演参加、こういう単純に可愛くおどけるトラックで聴くOffsetの三連符はまた違った味わいでナイス起用。またまたFrank Dukesが制作を担当した「Sundays」もトラックが凄く精巧で、湿度の高い異国のホテルの一室でレモネードを飲む様に、ビート後にもたれてラップをとろけさせるAmineの微睡んだラップも綺麗。「Turf」ではまさかのMalayが制作を担当したミッドで、遠くで聴こえる真夜中の海鳴りのようなトラックに、頬を撫でる潮風のように柔らかなAmineのラップが情緒豊か。Guy Lawrenceが制作を担当した「Blinds」はまるでATCQみたいなビートでこれも素晴らしく奥が深い、ぶるんと弾力のある鍵盤音を連ねたトラックの中で、Q-Tipを彷彿とさせる鼻にかかって甘美なAmineのラップがクール。再びMalayとPasqueが共同制作した「Dakota」には、なんと御大のCharlie Wilsonが客演参加。Malayらしい魔法が炸裂でまるで鉱石が輝くような不思議な光芒の中をAmineと進み、Charlie Wilsonの芳醇な歌声がぶっとい光の道を作るのが楽しい。「Slide」はJahaan SweetとAmineが共同制作しており、やはりゼリー状の電子音をボムボムと弾ませてAmineのジェリービーンズ的なラップが弾けるポップな一曲。PasqueとAmineが共同制作した「Money」は、だだ広い青のシンセの中をクールに遊泳するコズミックな一曲でやはり美しい。またまたFrank Dukesが制作を担当した「Beach Boy」も鍵盤音がパチパチとシャンパンの泡のように弾けるのがオシャレで、どこかPharrellにも通じるポップで色鮮やかなヴォーカルも最高にシンクロ。最後はボーナス曲扱いながら、あのKhelaniを客演に迎えた「Heebiejeebies」を準備。Jahaan Sweetが制作のトラックはやはり炭酸ジュースのようにカラフルできりりと冷えた感触のR&Bマナーなミッドで、AmineとKhelaniの透明感のある水彩絵の具のようなヴォーカルの混じり合いもナイス。

なんだこのアルバム、めちゃめちゃカッコイイじゃないですか(不意打)。AmineのLEGOブロックのようにカチリと結合させるカラフルなラップも良いんですが、やはり結構な芸術点を誇る(特にFrank Dukes!)トラック群が素晴らしい。そんな色鮮やかで多様なトラック群に臆せず、乗っかり並走し寝そべり泳ぐとAmineもなかなかの曲者でグッド。なんとなくMac Millerあたりを楽しめる方は、素直に面白いと感じるんじゃないでしょうか、聴いていない方は是非とも。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

2 Chainz「Pretty Girls Like Trap Music」

2chainztrap.jpg

Playaz Circleを休止(解散)してから放ったデビューアルバム『Based On A T.R.U. Story』2nd『B.O.A.T.S. II: Me Time』、そしてLil Wayneを全編に客演に迎えたほぼコラボアルバムと言える3rd『ColleGrove』と、順調にヒットを伸ばし着実にキャリアを積んでいる人気者の2 Chainz。その人気とは裏腹に、僕の中では今一歩2 Chainzの魅力が掴めないままに、彼がキャリアを積み重ねています(笑)。昨年に音楽界を席巻しまくっていたTrapをガッツリとタイトルに冠した本作、2 ChainzはLudacirs傘下にいましたがGeorgea出身の様ですね。
という訳でどんな感じの作品か僕の乏しい文章で書くと・・・・・・・・・まずはMike Will Made ItとDucko Mcfliが共同制作した「Saturday Night」で幕開け、これがエレキギターの捩れて悶えるような音色が背景で柔らかに燻るのがまず最高にブルージーで、その中で靄を裂く様に鈍く飛んでくる2 Chainzのラップがまたド渋くて素晴らしいスタート。鈍く重たいノイズに近い電子音が沈殿し、そこに繊維質に細い霊気にも似た音色が絡む「Riverdale Rd」はManoとMike Deanが共同制作。これがまたトラック的にはなかなか単調で音数も少なくて下手するとチープなんですが、そこは音色とビートの隙間感がなんとも絶妙で面白く、そこにボトボトと2 Chainzの粘度の高いラップが滴るのがまたグッド。またまたMike Deanが制作を担当した「Good Drunk」では、客演にGucci ManeとQuavoという絶妙過ぎる布陣を実現。ゆらゆらと音色をアルコールに溶かして酔わせたような、歪にして美しい曲線でマーブル模様を描く酩酊チューンは最高。2 Chainzの沈殿気味に回るラップも最高ですが、Quavoの残像のように移る陽炎のようなフックも、Gucci Maneのアルコール度数高めで灼けるように熱くも心地良いラップも最高にホット。宵の明星のように冷たくも煌々と光るビートをあちこちに散りばめた「4 AM」は、Murda BeatzとCuBeatzが共同制作。客演には夜明け前の青白い温度と色彩を抜群に表現できるTravis $cottが参加することで、2 Chainzの持つ真夏の夜の湿気のように重たいラップに、切れ味カットを与えているのが素晴らしい。Buddah Blessが制作を担当した「Door Swangin」もストリングスなどを用いながらどこかホラー趣味、怪しさ抜群の重曹トラックの中でぼんやりと光る鬼火のような2 Chainzのラップ。FKiが制作を担当した「Realize」ではNicki Minajが客演参加、夜の水面のようなキラキラ感と飲み込まれそうな深い静けさを湛えたトラックも秀逸ながら、この瑞々しいトラックにNicki Minajを置いてよりウェットで滑らかに仕立てたのも巧妙。Mike WiLL Made ItとDucko McFliが共同制作した「Poor Fool」では、Rae SremmurdのSwae Leeが客演参加。ドロドロとした2 Chainzのラップが湿って鼓膜に張り付くも、Swae Leeのスウィートで無邪気なフックのおかげで、これもやはり真夏の夜の夢のようにじんわりと熱く幻想的に変化。Murda BeatzとG Koopが共同制作した「It's A Vibe」が最高に贅沢豪華でカッコ良く、客演にTy Dolla $ignとTrey Songz、Jhene Aikoが揃い踏みで参加しているという100%天然甘美。このトラックもまるで夏の浜辺をアルコール片手に散歩するような、どこかトロピカルを火照らせたような情緒で、その中で響く汗ばんで鼓膜に纏わり付く、ほろ酔い千鳥足のような2 Chainzの柔らかくも鈍いラップが最高。そこに三者三様で夜の潮風のように火照りを冷ましてくれるヴォーカルが吹き抜けるのが美しい(溜息)。夜の波の音に似た音色が鼓膜を鮮やかにさらってゆく「Rolls Royce Bitch」はHonorable C.N.O.T.E.が制作、やはりこのトラックには2 Chainzの熱帯夜の湿度に似たラップがお似合い。深酒して二日酔い状態の真夜中にも似た鈍い痛みビートが響く「Sleep When U Die」、Young Jeezy「Get Right Ya Mind」とT.I.「A.S.A.P」を二刀流使いでサンプリングした「Trap Check」はBuddah Blessが制作を担当。特に後者なんかは僕みたいな三十路にとっての“純度の高い真作Trap Music”を体現していて、体の中に眠っていた自分のTRAP細胞が活性化しました(失神)。現代の三種の神器的なトリオ、Migosを客演に迎えた「Blue Cheese」はK Swishaが制作を担当。この曲を聴いて痛感したのが、そうそのブルーチーズのカビ臭さの中にあるまろやかで癖のある旨味こそ、もっさりとした2 Chainzのラップを如実に表現した単語なのではないかと(合点)。Migosの相変わらず三連符で周波数を合わせて繰り出すフロウは面白い。「OG Kush Diet」はiLL Waynoが制作を担当、ちょっと炭酸の抜けたコーラのような重たい甘味がじわじわと鼓膜を濡らすトラックとラップが上手くシンクロ。最後を飾るのはあのMonicaを客演に迎えた「Burglar Bars」、制作はMike DeanにM-16 Beats、Wonder Arilloの三人。サンプリングにBarbara Jean English「You're Gonna Need Somebody to Love You」をべったり使用したトラックは甘美そのもので、少しキツイぐらいに濃厚フローラルな香りのする2 Chainzの芳しいラップが、スローモーションに色移ろうドラマチックなトラックにマッチしていて、そこにMonicaの清廉として品のあるヴォーカルが響くことでより華やかに仕上がっています(惚)。

すっごく2 Chainz好きだ、とまではやはりなりませんでしたが、Trapミュージックと2 Chainzの相性はなかなか良くて、本作もこれまでの2 Chainz作品の中では最も好きなアルバムになりました。いや、というかこの作品に限って言えば凄く2 Chainzが格好良いしセンス抜群、でもこのサウンドと客演陣の効果もデカイかなと思い敢えてこの評価(辛口)。ただ、自分は熱帯夜の続く今頃に聴きながらブログに書いている訳ですが、本当に夏の夜に聴くのはお薦めってぐらいに、夏の夜の湿度に似たどこか甘酸っぱさのある2 Chaiznのラップが、とても空気にシンクロします(個人的見解)。昨年のベストには結局入らなかったけれど、こうして聴くとランクインしてもちっとも不思議でない魅力の一枚。










テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Vince Staples「Big Fish Theory」
vicebigf.jpg

デビュー作『Summertime '06』で間違いなく鮮烈なデビューを飾った、Vince Staplesの通算二作目となる『Big Fish Theory』を御紹介。かのNo I.D.が全面的にプロダクションに関与した『Summertime '06』は素晴らしい出来栄えで、Vince Staplesが様々いる若手の中でも異質であることを強調できた一枚で御座いました(喝采)。そんなVince Staplesが引き続きメジャーのDef Jamからドロップした本作は、クリアなCDケースにブックレットなど一切無し、視覚的な音楽情報は皆無というパッケージで到着。様々なインタビューでもきっちりと自身の音楽哲学を語っているVince Staplesだけに、単純に“音を聴いてくれ”という意思表示なのかもしれません。
そういう訳で情報は少ないのでいつもの直感的な感想をしつこく・・・・・・まずはSekoffとJustin VernonことBon Iverが制作した(ソングライトにはKilo Kish!)「Crabs In A Bucket」で幕開け、それこそバケツの中で蟹が鋏爪をガチャガチャさせるように尖った電子音が暴れる一曲で、そんな密閉された小空間の中で縦横無尽に泳ぎ回るVince Staplesの流麗なラップと、Kilo Kishのコケティッシュでグラスに浮かべた氷のようなヴォーカルがまたたまらない。Christian Rich制作の「Big Fish」では、Juicy Jがフックで参加しており、だけれどトラック的にはかなり西海岸なノリの一曲。ビヨンビヨンと容赦無く弾むゴムビートは鼓膜をベチンベチンと打ち、Vince Staplesのプラスチックのように軽やかに煌めくラップと、鉛玉のように言葉をドロップするJuicy Jの対比が素晴らしい。「Love Can Be...」はGTAなる人物が制作を担当し、Add VocalではKilo KishにDamon Albarn、Ray Jが参加しています。なんというかこのドロドロボタボタとした果肉混じりで甘酸っぱいダンスチューンが最高に格好良くて、Add Vocalの妙味もあるけれど、Vince Staplesのバチバチと尖ってスパークするラップも勿論カッコイイ。「745」はJimmy Edgerなる人物が制作を担当しており、やはり電子的なサウンドとビートを濁流に飲み込ませたドープなトラックで、そこにゆっくりと浸水し潜ってゆくようなスロウなラップが意識の奥深くに響いてゆく。「Yeah Right」はSophieとFlumeが共同制作という、このアルバムがHip Hopに囚われていないことを最も象徴している一曲。アルミニウムのように軽薄で銀色に光る電子音の中を泳ぐVince Staplesも、客演で参加しているKendrick Lamarも、ザクザクと直角に言葉を繋げて斬るもはや電撃で、この漏電するように響く二人のラップが刺激的で快感になる。狭小なアルミニウム缶の中で暴れ回ってバチバチと電光石火を散らすような「Homage」はSekoffが制作、ここでも板金加工されたようなVince Staplesのラップが歪な輝きを放って面白い。ザクザクと鼓膜を切ってしまいそうな尖った電子音がキリキリと鳴る金切りミッドチューン「Samo」はSophieが制作、Add VocalにはA$AP RockyとKilo Kishが参加。だらだらと融かした金属を流し込むように響くVice Staplesのラップは、その速度とは裏腹に鼓膜に着地した時点でガッチリ凝固するのが味噌。「Party People」はSekoffが制作を担当した平たく言えばEDM的なアッパーで、これはなかなかサイケでいてアフリカンなビート骨組みを感じる面白さがナイスで、Vince Staplesのラップもサイケ熱帯トラックに熱されて、あちこちに弾けて飛び散る感触なのが良い。Brady制作の「BagBak」もやはりEDM調なんだけれど、Vince Staplesがラップ巧者だからこそ成立している一曲。最後はSekoffが制作を担当した「Rain Come Down」で、Add VocalにはTy Dolla $ignが参加。やはりTy Dolla $ignがオリーブオイルのように艶やかでオイリーなエッセンスのヴォーカルを滴らすのが抜群に美味で、Vince Staplesに切り替わると途端に、乾いた植物繊維なビートがシンプルに打たれるのがこれまたボタニカルでグッド。

前作『Summertime '06』からの振り幅たるや凄まじいもので、そういう意味では僕みたいに1stをいたく気に入った聴き手は敬遠しがちかもしれません(憶測)。しかしHip Hop/Rapという安直なフレームには収まりたくない(であろう)Vince Staplesの遊び心が満載で、ダンスミュージックとしてもかなり秀逸でやはり侮れない。実際、Vince Staplesはグラミー賞のアカウントに@マークを飛ばして“『Big Fish Theory』はグラミー賞ベスト・エレクトロニック・アルバムである”とTweetしていた様です。個人的にはまた、No I.D.と組んでもらいたいなというのも本音ですが、やはりVince Staplesですから周囲の音を気にせず自由に恩学の大海原を泳ぎ回る方がカッコイイのかな。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 2  Trackback: 0

French Montana「Jungle Rules」
frenchmonjungle.jpg

Puff DaddyとRick Rossの二大ボスのバックアップを受けてデビューした逸材、French Montanaの通算二作目となる『Jungle Rules』を御紹介。デビュー作となる前作『Excuse My French』では超豪華な客演陣を迎え、まさに鉄壁なアルバムを聴かせてくれたFrench Montana。それからすぐに2ndとなる『Mac & Cheese 4』、改め『MC4』のリリースをアナウンスするも延期が続き、結局はミックステープの形での配信となりボツに(涙)。この『Jungle Rules』もなんだかんだ、アナウンスから結構な時間がかかってリリースされた気がしますが、無事に発売されて喜んだのを覚えております。モロッコ系の血を引く辺りも業界では特異な点であるFrench Montana、Puff DaddyのInstagramでは#DiddyCropされて消えてたけれど、このまま長く活躍してほしいものです。
それでは気になる内容をここで触れさせてもらうなら・・・・・・まずは、今は亡き盟友Chinxを客演に迎えた「Whiskey Eyes」、制作はBen Billionsが担当。鉱物のように硬く光るシンセとビートとが幻想的にヒンヤリと響き渡る鉱山採掘チューンで、柔らかにしなりながらも雄々しく力強いFrench Montanaと、煙るトラックを叩くように繰り出す硬度のあるChinxの豪気なラップがナイスシンクロ。ここ数年よく聴くレゲエ(リディム?ダンスホール?)風味な妖しいトロピカルなチューン「Unforgettable」、制作はMike Will Made Itで、客演にはSwae Leeが参加。ある意味では流行りのテイストなのでベタなスウィートさなんですが、Swae Leeの甘酸っぱくて澄んだアルコールのような歌フック(彼が素晴らしい)に、なかなか渋くて男前な声でラップ響かせ歌うFrench Montanaのラップが沈澱する様が美しくてやはりポテンシャル高し(酔)。「Trippin」は再びBen Billionsが制作を担当しており、ゆらゆらとレロレロと滴って融けてゆく電子音はまるで、オーロラのようにひだを創りながら鼓膜を侵食する。そんな妖しく発光するトラックに、French Montanaのラップが乱反射して輝きを歪めるのも面白い。中近東テイストなピーヒャラ吹くようなシンセに、ドムドムと落下する太いビートがシンプルにパワフルな「A Lie」、制作はHarry Fraudが担当。この荒涼とし乾いた砂漠を彷徨うようなトラックにFrench Montanaと、客演のMax Bの鋭利でタフなラップはお似合いに決まってるし、もう一人の客演のThe Weekndの潤んだ歌フックは砂漠に咲くオアシス。客演にTravis Scottを迎えた「Jump」はNovaが制作で、サンプリングにはImogen Heap「Headlock」を使用。これはもう完璧に客演のTravis Scottのスタイルだし主役を喰ってしまっている(無謀)。太陽が沈み漆黒の闇の中をバサバサと低空飛行で羽ばたく烏のような、Travis Scottの不穏でボタボタとしたラップがたまらなく毒々しくも美しい。「Hotel Bathroom」はA1とIsm、Frank Dukesが共同制作。どこか異国の蒸し暑いホテルの一室で聴くような感覚を鼓膜に与えるトラックと、熱っぽく汗ばんだFrench Montanaの男前なラップがなんだかスパイシーな。Pharrellが客演した「Bring Dem」はHarry Fraud制作で、サンプリングにThe Paul Butterfield「Last Hope's Gone」とBob James「Mingus Fingus No. 2」を使用。グルグルと渦を巻きながら色彩を濁してゆくようなマーブルなトラックが催眠効果を発揮し、ふらついた鼓膜を起動させるべくバチバチと叩くビートのコントラストが面白い。これはPharrell制作でないけれど良い意味でチープさが彼らしく、Pharrellのプラスチックみたいな歌ラップがクールに映える。寺院で香を焚くように漂う音色が妖しくヒリヒリと響き渡る「Bag」はSherwin Charles制作、ここでも結局は客演のZiico Niicoの焦げ臭いフックに助けられている気が。London On Da Track制作でド直球なタイトルの「Migo Montana」は、MigosのQuavoを迎えてMigos直伝のズブズブな三連符ラップをマイクロ波に変換して脳内にゆっくり撃ち込みます。しかしここまでMigosの御家芸に乗っかるとFrench Montanaが霞むのは当然で、もうQuavoがただただ呪術ばりにラップを繰り出し縛るのを楽しむのみ。DetailとA1が共同制作した「No Pressure」もやはり客演のFutureが十八番とする毒ガス噴霧系の霧散シンセチューンで、朧と浮かんでは消えゆくFutureのラップが存在感抜群過ぎてつらい。Murda Beatzが制作した「Push Up」は砕けたガラス片のようなトラックの上で、シリアスに冷たくメロディを揺らすFrench Montanaがなかなかナイス。久々のScott Storchが制作を担当した「Stop It」ではT.I.が客演参加しており、この砂利の様な音色とビートを無理矢理に丸めたようなラフなトラック上では、どう考えてもシャープに滑走して抜き去る伊達男のT.I.のラップには勝ち目が無いのは明らか(鳥肌)。Beat Billionaireが制作した「Black Out」はYoung Thugが客演参加、するも今まで聴いたYoung Thug客演の中でも一二を争うつまらなさかも。Drakeの二番煎じ感は否めずともなかなか心地良いじっとりしたダンスホールメロウ「She Workin」は、Nic NacとCount Bassyが共同制作。しかしこれもFrench Montanaの功績というより、波打ち際で踊るように瑞々しくセクシーなトラックと、客演参加で夕暮れのような涼しげで鮮やかな歌フックを聴かせるMarc E. Bassyの歌フックのおかげかなと(辛口)。Alkalineが制作&客演した「Formula」なんかもやはりそうで、スパイシーホットで美味なのはトラックと客演の御陰様なのが悲しい。Rico LoveとDtownthagreatが共同制作した「Famous」もやはりレゲエ風味な流行トラックで、使い回しのように感じられて薄味になってしまう。「Too Much」はAlex L.が制作を担当していて、蜃気楼のようにゆらゆらと揺らめき三重線になるFrench Montanaのヴォーカルはクール。最後は2epikが制作した「White Dress」は、Fran Soto「Aeorien」をサンプリングしたトラックはなかなか壮麗で重厚ながら、French Montanaのラップがそれを消化し切っているかは謎。

いろいろと書いたけれどFrench Montanaの声はカッコイイので好きなんです、前作も結局はジワジワと好きになっていた感があります。それこそ前作同様に豪華な客演陣と制作陣によるもので、好く言えばどんなトラックやゲストにも柔軟にフィットする、悪く言えば彼ら無しでは成立しない気もしてしまう程にFrench Montana味が未だ不明。とは言っても声を聴けば一発で彼と分かるのですが、なんだか流行の後追い感は否めない印象の一枚。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽

Category: 男性Hip Hop  Tags: ---

Comment: 0  Trackback: 0

Meek Mill「Wins & Losses」
meek-mill-wins-losses-cover1-1500643188-1024x1024.jpg

Rick Ross率いるMMGの若頭、Meek Millの通算三作目となる『Wins & Lesses』を御紹介。これまで1st『Dreams And Nightmares』2nd『Dreams Worth More Than Money』とリリースし、ヒットさせてきた有望株のMCであるMeek Mill。しかしなにかと問題も多いラッパーで、本作が出る2017年にも結局はセントルイス・ランバート国際空港で起こした乱闘騒ぎ、ニューヨーク郊外での危険運転容疑の2つの事件への関与により収監されてしまう事態に陥りました。しかしこの裁判は不当だとし、これに反対する運動”Free Meek Mill”が起こるなどMCとしての人気は浮き彫りになりましたね。Nicki Minajを巡って(?)DrakeとBeefになるも結果惨敗(?)したMeek Millでしたが、業界内での支持はやはり厚いみたいでなにより。そんなゴタゴタの中でリリースされた本作、毎度とプロモ不足でツイテいないですね(笑)。
それではざっくりと適当な感想で恐縮ですが・・・・・・まずはPapamitrouが制作した表題曲「Wins & Losses」で幕開け、冷たくギザギザと尖ったトラックは凍てつく印象を与え、その中で乾いた爆竹が弾けるように甲高いMeek Millのラップが青白い火花を散らして発破するのが強烈で刺激抜群。続く「Heavy Heart」はStreetrunnerとTarik Azzouzが共同制作しており、雲上のように滑らかでしとやかなトラックが悠々と流れるのが幻想的で、こうなるとMeek Millの甲高く弾けるラップがまるで星屑のように煌いてしまう魔法発動。Ra RaとMP808が共同制作した「Fuck That Check Up」ではまさかのLil Uzi Vertが客演参加、トラック的にはボムボムと上下運動を繰り返すのみのシンプル縦なトラックながら、若手ながらもなかなか渋く嗄れた声質でワッショイワッショイと張り切るLil Uzi Vertの助勢もありイマドキな仕上がりに。DJ Mustardが制作(Co制作Larrance Dopson)した超強力レイドバックチューン「Whatever You Need」では、Chris BrownとTy Dolla $ignが揃って客演参加という鉄壁布陣で甘ったるく正面突破を完遂。Tony! Toni! Toné!「Whatever You Want」をばっちりサンプリングしたトラックは甘美でいて、その甘みが滴るようでなんともセクシー(垂涎)。そこにフルーティなChris Brown、ボタニカルで瑞々しいTy Dolla $ignを添えたら美味確実で、こうなると酸味のあるMeek Millの強炭酸ラップも見事な味わいとなってパチパチ鼓膜に浸透するのがグッド。Dougieが制作を担当した「1942 Flows」はヅタッヅタッと力強く叩くビートとその上を流れる氷水のようなメロディがシンプルに鋭利で、Meek Millのラップが弾けるのとビートが呼応して共振するのがクールで心地良い。Cardiak「Sad Nights」を下敷きに使用した「Issues」はDougieが再び制作で、やはり甲高く発破する爆竹のようなMeek Millのラップが映える黒い背景のナイトメア仕様な一曲。Wheezyが制作(Co制作にはなんとFutureが!)の「We Ball」、客演にはYoung Thugが参加。仄暗い沼の底に鬱々と沈んでゆくようなトラックの中で、きっとFuture直伝であろうMeek Millの怪しく歪曲して落ちてゆくフロウも面白いし、なんとも自由になよなよと纏わりつくYoung Thugの細身のラップもやはり癖あり。Papamitrou制作の「These Scars」はAlan Hawkshaw「Strangelands」をサンプリングし、客演にはGuordan BanksとFutureを招いた深夜の空気に似た冷ややかなメロウ。こういう甘美でしとやかなトラックをここまでMeek Millがお洒落に纏うことが出来るとは少し意外で、夜の雨の様に降って濡らすFutureの雨煙るラップと、月光のように静かに照らすGuordan Banksの歌フック、そしてMeek Millは濡れたアスファルトが粒々とした輝きを放つようなラップを滑らせていてカッコイイ(痺)。いかにもMMGらしい黒光りするメタリックな鉄鋼チューン「Connect The Dots」はPapamitrouが制作を担当、客演にはYo GottiとRick Rossというなんとも肉厚なMCを揃えて完全なる肉弾戦で聴き手をねじ伏せます。IbeatzとG Koopが共同制作をした「Fall Thru」なんかも肩の力を抜いた柔らかな甘いメロウでエモーショナル、どこかスローモーションの映像を見るようなMeek Millのラップが春の陽光のように煌めき、風に翻るように軽やかでエアリー。Lihtz Kamrazを客演に招いた「Never Lose」はInfamous Rellが制作を担当した哀愁の漂う木枯らしのような乾いたメロウで、Meek Millの甲高いラップが鼓膜を刺すように凍てつきます。Da Honorable C.N.O.T.E.が制作を担当した「Glow Up」はシンプルにピアノ鍵盤を瓦礫積みした殺伐とした一曲で、やはり旋風のように巻上るMeek Millの鋭いラップがクール。本作でも孤児天気に要注意だと思うのが、Jay-Z「Blueprint (Momma Loves Me)」をばっちりサンプリングした「Young Black America」、制作はStreet SymphonyとD.O. Speaksが担当。ネタ元にも通ずる漆黒のツヤを輝かせる瑪瑙石のような高貴さの中、Meek Millの淡々と語るようなラップが渋く味わいがあって素晴らしいし、終盤登場の客演のThe-Dreamのスウィートなヴォーカルが溶けることで程よくクリーミーになるのも非常に美味。まるでポタポタと滴るように冷たい空間内に凛と響き渡るVerse Simmondsの雫ヴォーカルがたまらない「Open」、Street Symphonyと8x8、D.O. Speaksが制作でCorbin「Worn」をネタ使いしただだっ広くて底の無さそうな深遠トラックがまた神秘的で巧い。Maaly Rawが制作した「Ball Players」では売れっ子のQuavoが客演参加、捩じれて切れそうで切れない繊維質の電子音が糸引くトラックもそうだけれど、パチパチと乾いた音を立てて弾けるMeek Millもいいけれど、やはり三連符を散弾しては的確に落とすQuavoがいい味を出しています。StreetrunnerとTalik Azzouzが共同制作した「Made It From Nothing」は、MMGが得意とする絹目調で耳触りの滑らかなドレッシーミッドで、きついアルコールのように灼けるMeek Millと調度品のように贅沢なRick Rossのラップも良いけれど、やっぱり色っぽくてしなやかに闊歩するTeyana Taylorのエロい歌声がたまりません(刺激的)。最後もStreetrunnerとTalik Azzouzが共同制作した「Price」はSubmotion Orchestra「All Yours」をサンプリングした圧倒的な壮美曲でたまらない(溜息)、まるで鐘の音の鳴るように遠く響くようなMeek Millのハイトーン音域のラップがまたトラックに共振して胸を震わすのです(鳥肌)。

あれ?俺はこんなにMeek Millが好きだったろうか(困惑)。昨年はあまり音楽を聴く時間が無くて(今年はもっとそうですが)、そんな中だからこそ聴くアルバムも自然と限定していた気がしていて、そういう意味でMeek Millは後回しにしていたんです(失礼)。でもこうして聴いているとこのアルバムはカッコイイ、これまで味わったことのないMeek Millという感じ。Nicki Minajと別れたこともあり、ちょっと同情加点もあるやもしれませんが(笑)、これだけの人気があることを自分なりに確認できた一枚でした。






テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE    ジャンル : 音楽